「ネットビジネスの終わり」読了
先日出版された新刊、「ネットビジネスの終わり」を読了しました。全体感としては前作「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」をもうファクトベースにグローバルな視点で書きなおした、という感じでした。
とはいえちょっと固めの雑誌なのか、氏の独特なユーモアの溢れる表現が少し弱いと感じつつもさくっと読めてしまうあたりはさすがブログが面白いだけあるなぁという気がします。内容的には第一章、第三章がおそらく氏の事業ドメインと関わる領域のはずで、要点を抑えながら適切に現在の構造上抱えている課題を深堀りしており非常に面白かったです。
かたや第二章は散々いろいろな方がいろいろな視点で論じられている内容なので焼き直し感があるのは否めませんが改めて課題の深さ、難しさを認識できました。
あえて突っ込むとしたら第四章が浅いことでしょうか。書かれている内容や課題感は理解できますが他の章と比べると表現が抽象的過ぎて、「で、どうなんだろう?」というレベルで終わっていることが残念かと思います。タイトルが思いっきり「ネットビジネス」って書かれているのに全体の25%しか紙面を割かず、その上他の章より内容が浅いというのは、たとえタイトルがある程度の釣りだとしても、不適切だという読者がいるかも知れません。
またこういう新書系にありがちな、ファクトの整理から課題導出までで終わっており氏の仮説としての解決策が論じられていないのも残念です。まぁ、第四章も含めてそこらへんが飯のタネだと思いますので何かとバイアスがかかるのは仕方が無いことでしょうが。
総合的には広い視野で網羅的に課題を俯瞰できている点、ある程度ネットリテラシの高い人との話のネタに使えるという点で有益な書だと思いますのでさくっと読み通しておいて損は無いと思います。ただハードカバー故に高いですね、微妙ですが。加えて本書で「ガリバー」と「ドクトリン」という言葉を多分に刷り込まれたので次回どっかのプレゼンで使ってみようと思います。